※この記事は実体験をもとに構成しています。登場人物のプライバシーに配慮し、氏名・属性・会話内容などの一部を変更しています。
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ロイホの顔合わせと、かすかな違和感
「今日はありがとうございました! ご飯、楽しみです」
仕事を終えた夜、せなから届いたメッセージには、出会ったばかりの高揚感がそのまま詰め込まれていた。
最初の顔合わせに選んだのは、ロイヤルホストだった。
落ち着いた店内で向き合った彼女は、とても話しやすい女性だった。
こちらの言葉に熱心に耳を傾け、よく笑ってくれる。
四月からは土日祝日が休みになるという彼女には、忙しい毎日を懸命に生きる、社会人らしい健気さがあった。
「本当に好印象でした」
私がそう返すと、彼女から泣き顔の絵文字とともに、
「うれしいです」
という言葉が届いた。
今後の関係についても、お互いの希望を確認した。
彼女は「大丈夫ですよ」と、静かに、けれど明確に答えてくれた。
すべては順調に、次の段階へ進んでいくはずだった。
「高級寿司」という名のハードル
二月半ば。
二度目に会う日の話をしていたとき、彼女から一軒の寿司店を提案された。
送られてきた写真には、整然としたカウンターと、静謐な空気をまとった店内が写っていた。
明らかに「高級」と呼ばれる部類の店だった。
「お寿司が食べたいです! 20時ごろでお願いします」
彼女の希望を読み、私はわずかな違和感を覚えた。
繁忙期で残業があるから、待ち合わせは二十時。
それ自体は理解できる。
ただ、初回のロイヤルホストから、二度目でいきなりこの価格帯の店を指定すること。
さらに、食事後の時間に余裕があるとは思えないこと。
いくつかの小さな引っかかりが、頭の中で一つにつながってしまった。
――彼女が楽しみにしているのは、私との時間なのだろうか。
それとも、この店で食事をすることなのだろうか。
もちろん、彼女の真意は分からない。
ただ高級な寿司が好きで、私と一緒に食べたいと思っただけかもしれない。
それでも一度生まれた疑いは、私の中で静かに膨らんでいった。
食事を終えた後、
「今日は遅いので」
と言われ、そのまま解散する場面まで想像してしまった。
まだ何も起きていない。
それなのに、私の熱量はゆっくりと下がり始めていた。
「遅くなっても大丈夫な日をピックアップして、また連絡するね」
そう伝え、私は彼女との距離を置いた。
繰り返される「お久しぶりです」
それからも、彼女からは定期的に連絡が届いた。
二月の終わり。
そして三月。
「来週、空いている時間はありますか?」
「近いうちに、お食事へ行きたいです」
彼女の言葉は、変わらず丁寧だった。
もしかすると、本当に私に会いたかったのかもしれない。
高級寿司を提案したことにも、私が考えたような裏の意味などなかった可能性もある。
けれど、私の中に生まれた疑いは消えなかった。
彼女に会いたいのか。
彼女の真意を確かめたいだけなのか。
自分でも分からなくなっていた。
やがて、その答えを考えることにも疲れてしまった。
三月の私は仕事に追われていた。
余裕のない毎日の中で、彼女の名前は私の優先順位から静かに消えていった。
別の「定期」がいる日常
四月。
再び、彼女からメッセージが届いた。
「お久しぶりです! 来週あたり、空いている時間はありますか?」
その通知を見たとき、私の胸に浮かんだのは期待ではなかった。
長い間、曖昧なままにしてしまった申し訳なさ。
そして、そろそろ終わらせなければならないという感覚だった。
その頃、私にはすでに定期的に会う別の人がいた。
「もう定期の人が見つかったので、ごめんなさい」
それが、彼女へ送った最後の一文になった。
確かめたいと思えなくなったとき
もし、二度目の食事がロイヤルホストの延長線上にあるような、もう少し肩の力を抜いた場所だったら。
もし、二十時より早く会えて、食事の後にも少し時間が残されていたら。
私たちの関係は、違う形へ進んでいたのだろうか。
今となっては分からない。
彼女が私に会いたかったのか。
高級寿司を食べたかったのか。
その両方だったのか。
私は最後まで、彼女の本心を確かめなかった。
マッチングアプリで生まれた縁は、はっきりとした拒絶だけで終わるわけではない。
小さな違和感が積み重なり、次の約束が先延ばしになり、いつの間にか会わないことが当たり前になる。
潮時とは、相手の真意を見抜いた瞬間ではないのかもしれない。
もう一度会って、それを確かめたいとさえ思えなくなったとき。
その静かな諦めが、二人の間に残された最後の答えなのだ。
この体験で利用したアプリ
「せな」と知り合ったのは、paters(ペイターズ)だった。
2度目の食事に行く事はなかったが、patersでは実際に何人もの女性と会うことができた。
もちろん、登録すれば必ず会えるわけではない。
相手の見極め方や、実際に使って感じた良かった点、料金、注意点については、以下の記事で詳しく紹介している。
ほかのサービスとの違いを知りたい人は、5社を実際に使った比較記事も参考にしてほしい。

