※本記事には広告を含みます。この記事は実体験をもとに構成しています。登場人物のプライバシーに配慮し、氏名・属性・会話内容などの一部を変更しています。サービスの利用は18歳以上に限られます。
猫を愛する、ギャンブル好きの女子大生
マッチングアプリで出会った「えま」は、成人した大学4年生だった。
就職先も決まり、卒業までの時間を持て余して、アプリを始めたという。
実家では猫を飼っていた。
初めて会った日、彼女はスマホの中に保存された猫の写真を、愛おしそうに見せてくれた。
写真を指でめくるたび、その表情が柔らかくなる。
その穏やかな笑顔を見ていると、彼女が動物を慈しむ、根の優しい人であることはすぐに伝わった。
彼女の良さは、会っているときだけではなかった。
マッチングしてからというもの、彼女はほとんど毎日LINEをくれた。
「今日、寒すぎない?」
「雪が降るらしいよ」
「お仕事がんばってね」
なんてことのない言葉たちだった。
けれど、その何気ないメッセージが、冬の寒さに凍える独り身の心を、少しずつ、確かに温めてくれた。
そんな彼女には、意外な一面があった。
無類のギャンブル好きだったのだ。
公営競技とパチンコを愛する彼女。
一方の私は、勝負事とはほとんど無縁に生きてきた。
猫を見つめていた穏やかな彼女と、ギャンブルについて熱く語る彼女。
そのあまりのギャップに強烈な好奇心を抱き、私は彼女との競艇デートを承諾した。
「させ、させ……させー!」
初めて訪れる競艇場は、知らないことの連続だった。
100円を払って入場する仕組みも、場内で無料のお茶が飲めることも、私にとってはすべてが新鮮だった。
舟券を買う段階になり、私は相場も分からないまま、とりあえず2,000円を賭けようとした。
すると彼女は、目を丸くした。
「そんなにいくの!?」
驚かれたことで、こちらも不安になる。
多いのか。
少ないのか。
そもそも、競艇ではいくら賭けるのが普通なのか。
戸惑う私をよそに、彼女は真剣な眼差しで出走表を見つめていた。
席を確保して、レースが始まる。
その瞬間だった。
私の隣にいた穏やかな女子大生が、消えた。
「させ、させ、させ……」
彼女の声が、次第に大きくなる。
「させー!!」
水面を切り裂くボートに向かって、彼女は喉を震わせた。
普段の可愛らしい声からは、まるで想像できない叫びだった。
私はレースよりも、目の前の彼女に驚いていた。
あれほど穏やかに猫の写真を見せてくれた人が、今は拳を握り、全身でボートに念を送っている。
そのギャップが、あまりにも面白かった。
誰が勝つかよりも、夢中になっている彼女の姿から目が離せなかった。
勝負どころで、踏み込めない
なかなか当たらないまま、最終レースを迎えた。
私は彼女に助言を求め、三連単を買うことにした。
彼女は出走表を見ながら、迷いなく言った。
「ここは2,000円でいかな!」
その言葉に背中を押された。
しかし私は、土壇場でひよってしまった。
「1,000円ですみませんね」
結局、彼女に勧められた金額の半分だけを賭けた。
そして結果は、見事な的中だった。
払い戻しを受けながら、うれしさより先に、猛烈な後悔が押し寄せた。
彼女の言うとおり、2,000円を賭けていればよかった。
勝負どころで踏み込めなかった自分が、情けなく思えた。
けれど同時に、静かに理解した。
私は一生、本物のギャンブラーにはなれない。
勝負の直前になると、失うものを考えてしまう。
それは慎重さなのか、臆病さなのか。
このときの私には、まだ分からなかった。
雪の日のパチンコ店
年が明け、私たちは再会した。
雪の舞う街で、二度目のデートに選んだ場所は、パチンコ店だった。
パチンコも、私にとっては未知の世界だった。
どの台を選べばいいのか。
何を待てばいいのか。
画面が派手に光るたびに期待してよいのか。
何も分からない私の隣で、彼女は慣れた様子で台を見ていた。
彼女の指示どおりに台を移動すると、偶然、確変に突入した。
「右打ちせな!」
彼女の声に従い、慌ててハンドルを握る。
その日の投資を回収して、さらに余りある勝利になった。
景品交換の仕組みさえ知らなかった私にとって、その一日は最高の社会科見学だった。
一人では決して入らなかった場所。
一人では知ることもなかった遊び。
彼女と一緒だったから、すべてが面白かった。
言葉のないスタンプ
三月。
私は彼女に連絡を入れた。
「定期的に会う人が見つかったんだ」
彼女から返ってきたのは、言葉のないスタンプひとつだった。
責める言葉も、理由を尋ねる言葉もなかった。
勝負の世界を知る彼女らしい、潔い幕引きだった。
それから、彼女と会うことはなくなった。
彼女と会わなくなった後、私は一度だけ、一人で競艇場へ出かけたことがある。
けれど、少しも面白くなかった。
隣で「させ!」と叫ぶ声もない。
勝負どころを教えてくれる人もいない。
勝っても負けても、ただ空虚だった。
あの日、私が面白いと思っていたのは、競艇ではなかったのだ。
パチンコでもない。
知らない世界で夢中になる彼女を、隣で見ている時間が好きだった。
私はもう、競艇もパチンコもしていない。
彼女が教えてくれたのは、勝ち方ではなかった。
賭ける場所と、賭けてはいけない場所を、身をもって教えてくれただけだ。
ありがとう、えま。
君と過ごした冬は、人生という大きな勝負の途中で見つけた、忘れられない寄り道だった。
この体験で利用したアプリ
えまと出会ったのは、paters(ペイターズ)だった。
アプリを利用したからこそ、普段の生活では接点のなかった相手と出会い、競艇場やパチンコ店という未知の世界を経験できた。
もちろん、登録すれば同じような出会いが必ず得られるわけではない。利用目的や料金を確認し、相手を慎重に見極めることも必要だ。相手の見極め方や、実際に使って感じた良かった点、料金、注意点については、以下の記事で詳しく紹介している。
ほかのサービスとの違いを知りたい人は、5社を実際に使った比較記事も参考にしてほしい。

