42歳でマッチングアプリを始めたとき、最初に意識したのは自分の年齢だった。
プロフィールには「42歳」と表示される。
その数字を見ただけで、会う前から候補を外す女性もいるだろう。
そう考えると、登録したばかりの私は、少しだけ気後れしていた。
もっと若ければ。
もう少し早く始めていれば。
そんな思いが、頭をよぎらなかったわけではない。
しかし、年齢は隠せない。
仮に写真を加工して若く見せても、実際に会えば分かる。若者らしい服装や言葉遣いを真似したところで、そこに無理があれば、かえって年齢への引け目が伝わってしまう。
私が考えるべきだったのは、42歳をどう隠すかではなかった。
42歳の自分と、なぜ会いたいと思ってもらえるのか。
その答えを探すことだった。
年齢そのものが、魅力になるわけではない
「40代には大人の余裕がある」
よく耳にする言葉だ。
だが、年齢を重ねただけで、自然に余裕が身につくわけではない。
相手の話を遮る。
自分の経験を一方的に語る。
返信を急かす。
予定が合わないと不機嫌になる。
年下の相手に、求められてもいない助言をする。
こうした振る舞いをすれば、40代という年齢は「頼もしさ」ではなく「面倒くささ」に変わる。
一方で、相手の話を落ち着いて聞き、予定や気持ちを尊重できる男性なら、年齢は安心感につながる。
年齢は、それだけでは武器にも弱点にもならない。
普段の振る舞いによって、意味が変わるものなのだ。
40代の武器は「安心感」にある
マッチングアプリで出会う二人の間には、共通の知人がいないことが多い。
相手がどんな人なのか。
実際に会っても大丈夫なのか。
断ったときに態度が変わらないか。
限られた写真と文章だけでは、分からないことばかりだ。
だから、年齢差のある相手と会うときほど、私は「どう魅力的に見せるか」よりも、「どうすれば不安を減らせるか」を考えるようになった。
返信を急かさない。
予定が合わなくても責めない。
相手の希望を聞く。
約束を曖昧にしない。
嫌がることを無理に進めない。
どれも、特別な恋愛テクニックではない。
それでも、この当たり前を丁寧に積み重ねると、相手の反応は少しずつ変わっていく。
「この人なら、落ち着いて話せそう」
そう思ってもらえれば、ようやく人柄を知ってもらう入口に立てる。
安心感だけで恋愛が始まるわけではない。
しかし、安心感がなければ、こちらの魅力を知ってもらうところまで進めない。
若く見せるより、今の自分を整える
40代になると、若い頃とは違う部分が増えていく。
髪や肌の変化。
体形の変化。
疲れが表情に出ることもある。
それを無理に隠そうとすると、自分の年齢そのものを否定することになる。
必要なのは、若く見せることではない。
今の自分を、雑に扱わないことだ。
自分に合う服を選ぶ。
身だしなみを整える。
約束を守る。
店員にも丁寧に接する。
会話の結論を急がない。
相手が迷っているなら、待つ。
そうした行動には、その人がこれまでどう生きてきたかが表れる。
40代の魅力は、若さの代わりになるものではない。
若い頃には持てなかった落ち着きや配慮を、日々の行動として見せられることにある。
42歳は、遅すぎる年齢ではなかった
マッチングアプリを始めた頃の私は、42歳という数字を不利な条件だと考えていた。
だが、実際にさまざまな女性と会うなかで、その考えは少しずつ変わった。
年齢だけで選ばれないことはある。
それは受け入れるしかない。
しかし、若くないから誰にも選ばれないわけではない。
落ち着いて話を聞いてくれること。
約束を丁寧に扱うこと。
相手を急かさないこと。
そうした部分に魅力を感じる人も、確かにいる。
だから、20代の男性と同じ土俵で若さを競う必要はない。
隠すべきなのは年齢ではなく、年齢を理由に何も整えようとしない姿勢の方だ。
40代には、40代の戦い方がある。
若く見せることではなく、安心して時間を預けてもらえる男性になること。
それが、42歳からマッチングアプリを始めた私が、最初にたどり着いた答えだった。
